
男女ともに晩婚化が進み、子育て世代も20代、30代だけではなく50歳前後まで幅広くなっています。
教育費はお金がかかると言われますが、学資保険やこども保険などで積み立てておけば、これまでは大学入学資金まで何とか準備できました。
ところが現在は、子育てが始まる年代が遅くなったことで、今までのようなマネープランではやりくりが難しくなってしまいました。
気持ちに余裕を持って子育てを楽しむためのマネープランの考え方について、お話します。
もくじ
子育て費用の不足を感じている人は多い
世帯年収に余裕があれば、子育て費用の負担をあまり気にする必要はないかもしれません。
しかし子育て世代の実感としては、理想とする収入と現実の支出には大きなギャップがあるようです。
明治安田生命が0歳から6歳までの子どもを持つ既婚男女1,100人を対象に、子育てに関するアンケートを実施しました。
参考サイト:
https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2018/pdf/20181018_01.pdf
アンケートの結果、理想と現実の平均年収差は、男性は153万円、女性は121万円あることがわかりました。
つまり世帯で合計すると274万円理想の年収との差があるわけです。
また、毎月の支出で子育てにかかる費用は平均39,240円。
(子育て費用には保育園や幼稚園の利用料、習い事やお稽古費用、日用品の他、レジャーや誕生日、クリスマスなどの娯楽費用も含まれます。)
そして、なんと1,100人中762人が子育て費用の不足を感じていると回答しました。
教育費のピークは大学進学以降
少子化の影響もあって、子育て世代は塾や習い事など、子どもにお金をかけ過ぎる傾向があり教育費は膨らむ一方です。
親にしてもらったように、自分たちの子どもにも十分に教育費をかけてあげたいと思うのは親心です。
では、子どもの教育費はそもそもどのくらいかかるとみればいいのでしょうか?
一般的に言われるのは大学を卒業するまで最低1,000万円程度です。
私立大学に通ったり、予備校に通ったりした場合はさらに費用がかかります。
ただ、教育費が一番かかるのは大学進学以降で、入学金や授業料の負担が大きくなります。
教育費の資金計画を立てるときは、子どもが生まれてから高校卒業までと、大学進学以降の費用を大体半々に分けて考えるとよさそうです。
40代子育て夫婦は老後資金の準備も必要
40代で幼稚園や小学生の子どもを育てている世帯は多いですが、40代になると夫婦の老後資金もそろそろ計画を立てる時期になります。
これから教育費がかかるようになるのに、世帯の収入は簡単には上がりません。
現在の働く世代は、自分たちの老後の暮らしを、公的年金制度で支えることは難しいでしょう。
ですので、現役で働いているときから、退職後の生活費を別の方法で用意しておくことが必要です。
家族の生活費を毎月やりくりしながら、子どもの将来の教育資金を積み立て、老後の生活費も準備していくにはどうしたらいいのでしょうか?
教育資金はこうして貯める!
まず、教育資金を貯める方法を考えます。
一番お金がかかる大学進学以降の費用は、児童手当を使わずに貯金することをおすすめします。
そうすると子どもが生まれてから、中学校を卒業するまでにもらえる1人当たりの児童手当は総額で約200万円になります。
大学進学費用は平均約300~500万円なので、児童手当で約200万円が準備できれば、負担はかなり軽減できます。
不足分は資産運用を考える方法もあるでしょう。
高校卒業までの教育費は基本的に毎月の生活費からやりくりするようにします。
塾や習い事の費用などで教育費がかかる場合は、可能なら別に教育費用を貯めておくと安心です。
老後資金と教育資金を両立させるには?
人生プランの三大資金は「教育」「住宅」「老後」と言われるように、それぞれ1,000万円単位のお金が必要です。
子育て世代が教育資金と老後資金の両立を考えるときに、優先するのはあくまで教育資金でしょう。
その上で老後資金を準備するなら、税金に優遇措置がある「iDeCo」の個人型確定拠出年金で運用する方法もあります。
現役世代が加入できる私的な個人年金で、毎月の掛け金は最低5,000円から始められるため、無理なく始められます。
また、掛け金は毎年変更できるので、教育資金がかさむときは掛け金を少なくすることも可能です。
老後資金を準備するのは50代以降というイメージもありますが、早く始めるほど後の負担が軽くなります。
教育資金の積み立てと上手く両立させながら、老後資金もコツコツ貯めていくことが大切です。
子育てマネープランの注意点
長期的に子育てのマネープランを立てるときは3つの点に注意します。
1つ目は大学卒業まで見据えてトータルな教育資金を計画することです。
子ども時代に習い事にお金をかけ過ぎないようにしましょう。
2つ目は児童手当を別口座に振り替えることです。
年3回振り込まれる児童手当は、生活費と一緒にしておくといつのまにか使ってしまうので、きっちり分けて管理しましょう。
3つ目は折にふれてマネープランを見直すことです。
しっかり考えたプランでも、時が経てば家族状況や考え方が変わることもあります。
ムダを減らして、増やしたいものに予算を使うなどして常に最適なマネープランにしていきましょう。
まとめ:マネープランを立てて子育ての不安を解消!
これから子育てが始まる、またはすでに子育て中のご夫婦も、教育資金のマネープランを立てておくと、気持ちに余裕を持って子育てできるはずです。
ご自身と子どもや大切な方のため、お金についての専門知識を身につけることは、とても大切です。
長期的なマネープランを考え、定期的に見直すようにしましょう。