独立系FPで始める新たな働き方

最近、さまざまなメディアで「資産運用」や「老後の貯蓄」など、お金に関連した話題を目にする機会が増えてきました。

 

ファイナンシャル・プランナー(以下FP)もこの流れを受け、昨今、企業での勤務や資格取得で得たFPのスキルを活かして独立し、キャリアアップする人が増えていることをご存知ですか?

 

今回は今後FPとして独立を考えている方向け、幅広いお金の分野で活躍できる「独立系FPの働き方」についてお話します。

独立系FPの仕事内容やメリット、独立のために必要な準備などをまとめてみました。

 

将来的にFPとして独立、起業を目指している方、企業系FPの仕事をしており、更にキャリアアップしたい方、FPの資格取得を目指している方は、特におススメの内容になっております。

 

独立系FPとは

企業系FPのように特定の企業には所属せず、個人事業主として業務を行うファイナンシャルプランナーを指します。

 

独立系FPの仕事内容

独立系FPでは、主に以下のような仕事があります。

 

  • お客様のファイナンシャルプランの相談
  • 金融商品/保険商品の販売
  • 講師業(企業研修、セミナー講師等)
  • 雑誌やWeb記事の執筆活動

 

販売に関する仕事においては、企業系FPの場合、特定の企業に所属する必要があるため、お客様へ勧める商品が偏るケースもあります。

 

一方、独立系FPは特定の金融機関等に所属する企業系FPに比べて複数の商品を取り扱うことができるため、より中立的な立場でお客様に商品の提案を行うことができます。

 

 

独立系FPのメリット

独立系FPとして仕事をする場合、どのようなメリットがあるのかをご紹介します。

 

(1)自分の裁量で自由に仕事ができる

独立系FPの場合、1日のスケジュールや仕事量を自分で決めることができるため、勤務時間も自由に設定できます。

 

また、企業系FPに比べて、社内のルールや会議、人間関係、通勤等に縛られることがなくなるので、より自分の仕事に専念することも大きなメリットになります。

 

(2)低コストで副業から始められる

独立系FPは開業するにあたり、大きな設備は必要ないため、初期費用も少なくて済みます。

 

お客様の相談や執筆活動が中心の仕事であれば、パソコンとインターネット環境のみでできるため、自宅や貸し会議室等を事務所代わりに利用することもできます。


また、独立ができるようになるまでFPの仕事は副業として行い、収入を増やしながら独立の準備を進めることもできます。

独立の準備を進めるだけなら、現在勤めている企業をすぐに退職する必要もありません。

起業に勤めている方は、まずは副業としてFPの仕事を進め、本業の収入を安定的に超えることができるようになってから独立することもできます。

 

(3)高収入を目指せる

独立系FPは自分の裁量で仕事をして収入を得るため、年収が数千万円を超える方もいます。

独立して間もない頃は収入が不安定になることもありますが、日々経験を積みながら事業を軌道に乗せ、大きく成長させることができれば、企業系FPよりも多く収入を得ることも夢ではないでしょう。

 

 

独立系FPになるための準備

ここからは、FPとして独立するために準備することをご紹介します。

 

(1)事業計画を立てる

独立後の活動をスムーズに行い、継続的に収益を出すために、まずは独立系FPとして主に以下のような事業計画を立てます。

 

  • 独立するまでの期間
  • 独立後の売上目標(週次、月次、四半期、半期、年次)
  • 主要にする事業(相談、販売、執筆活動、講師業等)
  • 集客ターゲット(個人、企業等)
  • 集客方法(セミナー、ホームページ、ブログ、SNS)

 

特に「お客様への相談業務」等、集客が常に必要な仕事を主要事業にする方は集客活動が必須になるため、上記における「集客ターゲット」と「集客方法」を明確にし、書籍や講座等を通じてマーケティング全般に関する知識も身に付けておくことをオススメします。

 

(2)必要な資格/知識を習得する

独立系のFPは特に資格を持っていなくても業務を行うことができますが、継続的に集客を行い、売上目標を達成するためにもFPの資格を取ることをオススメします。

 

なぜなら、資格を通じて取得した幅広い知識は実際の業務で大いに役立ち、今後関わるお客様への信頼度もより高めることができるからです。

独立系FPとして役立つFP資格は国家資格の「ファイナンシャル・プランニング技能士(1級・2級)」や民間資格の「AFP」、「CFP」が挙げられます。

 

また、「住宅ローンアドバイザー」や「相続診断士」等、今後の仕事に関連する資格も取得することで、より仕事の領域を広げることができ、集客活動等においても有利になります。

 

また、資格の他に今後の仕事で必要な知識も身に付けておくのもオススメです。

 

例えば、今後の仕事の中で執筆活動も視野に入れている方は、書籍等を通じてライティングに関する知識も身に付けておくことで、より効率的に記事を書けるようになります。

 

仕事に必要な物を準備する

パソコンや周辺機器、事務用品等、仕事に必要な物を準備します。

また、ホームページの制作等、業者への依頼が必要な場合は、開業日まで間に合うように納期や期限を明確に伝えましょう。

 

税務署に「開業届出」を提出する

開業する際には、事業を開始してから1か月以内に納税地を所轄する税務署へ「開業届出」を提出する必要があります。

※手数料は無料

 

また、企業に勤めている方は開業届出を出す前に企業を退職する必要があるため、引き継ぎ等の退職に関わる準備も併せて行いましょう。

 

 

おわりに

独立系FPは現在の日本では認知度が高くありませんが、今後もニーズが高まっていくことが予想されます。

 

なぜなら、昨今の年金問題等の影響もあり、「お金に関する相談をしたい」と思う人が今後ますます増えていく状況にあるからです。

 

さらに、金融商品や保険商品も多様化したことで、幅広い商品知識を持ち、親身に相談してもらえるFPを求める人も増えていく可能性があります。

 

このような背景から、企業の利益とは関わりなく、中立的な立場でお客様の相談や提案を行うことができる独立系FPは今後ますます注目されるでしょう。

 

また、お客様のファイナンシャルプランの相談や提案では、企業系FPよりも深くお客様と関わることができるようになるため、面と向かって感謝の言葉を直接いただいた時の喜びは大きく、改めて「やりがいのある仕事だ」と感じることができると思います。

 

今後のキャリアアップを検討する際には、是非この記事をご参考いただければ幸いです。